読んでもらえる文章の秘訣は読み手に考えさせないこと

ライターや記者など文章を書く仕事をしている人のほとんどは、自分が書いた記事を1人でも多くの人に読んでほしいと思っているのではないでしょうか。

 

多くの人に読んでもらえる記事は目に留まる奇抜な文章だと考える人もいますが、それだけでは多くの人に読んでもらえません。

 

読んでもらえる文章に1番大切なのは奇抜さではなく、読み手に考えさせない優しさです。

 

読み手にとって親切な言い回しや言葉選びをすれば、読者は負担なく文章を読み進めることができます。

 

それでは、読み手に考えさせない親切な文章の書き方を紹介します。

 

こそあど言葉を避けて読み手を楽にする

 

こそあど言葉とは、以下のような短い言葉で対象を指し示す指示語です。

・これ

・あれ

・それ

・どれ

 

書き手にとっては便利な言葉ですが、読み手は毎回「それ」が指す言葉の対象を判断しながら読まなければいけません。

 

指し示す対象を逐一考えながら文章を読み進めていくのは負担になるので、こそあど言葉は極力使わないように心がけましょう。

 

「それ」を使った例文は、以下のとおりです。

 

シュークリームのシューはフランス語でキャベツを意味している。

 

ふっくらとした形がそれに似ているところから命名されたといわれている。

 

例文の「それ」を具体的な言葉に換えると、以下のような文章になります。

 

シュークリームのシューはフランス語でキャベツを意味している。

 

ふっくらとした形がキャベツに似ているところから命名されたといわれている。

 

このように具体的な言葉で文章が構成されていると、読み手は頭を使わなくても内容が入ってきて楽に読むことができます。

 

一般的でない言葉は使わない方が読み手に優しい

 

専門用語や業界用語などの言葉は、限られた人にしか通じません。

 

多くの人に読んでもらえる文章に必要なのは、噛み砕いた表現で誰にでもわかるように説明することです。

 

難しい言葉は、簡単な言い回しにしたり説明を添えたりといった方法で多くの人にわかりやすい書き方をしましょう。

 

誰にでもわかりやすい言葉に置き換えた例文は、以下のとおりです。

 

来週のビアバッシュ、参加しますか?

 

来週の懇親会、参加しますか?

 

専門用語や業界用語は言葉の意味を知らない読み手にとって不親切なので、分かりづらい表現をしていないか確認することが大切です。

 

体言止めを減らせば読み手の負担も減る

 

体言止めには文字数を減らせたり文末に変化をつけられたりといった利点がありますが、使いすぎると読み手は疲れます。

 

名詞で終わらせた文章に続く助動詞や動詞を、読み手自身で考えなければいけないからです。

 

体言止めを動詞で補った文章に直した例文は、以下のとおりです。

 

2月17日に浅野いにお先生の新刊が発売。

 

2月17日に浅野いにお先生の新刊が発売する。

 

読み手に考えさせないように体言止めを減らす努力をして、親切な文章にしましょう。

 

「こと」や「もの」を減らしてわかりやすい文章にする

 

語句に「こと」や「もの」をつけて名詞化する方法は便利ですが、重複しやすくなるうえに回りくどくなりがちです。

 

「こと」や「もの」を具体的な言葉に差し替えると、読み手にとってわかりやすい文章になります。

 

「こと」を多用した例文は、以下のとおりです。

 

自炊することで、栄養のバランスがよくなることだけでなく節約することができる。

 

例文の「こと」を取ると、以下のような文章になります。

 

自炊をすると、栄養のバランスがよくなるだけでなく節約にも繋がる。

 

書いた文章を見直すと、「こと」を使わない方がよい箇所は大いにあります。

 

読んでもらえる文章を書くうえで最優先すべきは、読み手に負担を与えない書き方をすることです。

 

読み手が考えなくても読み進められる優しい表現で、多くの人に読んでもらえる文章を書きましょう。