心に刺さる手紙やメールを書くための3つのコツ

最近では、感染症の蔓延によって恋人や友人などと会話ではなく文面でやりとりすることが増えました。

 

手紙やメールでは相手の表情が見えないぶん、誤解されたりうまく伝わらなかったりすることがあります。

 

しかし表情が見えないからこそ、想像力が掻き立てられ相手の心を動かすことができるのです。

 

どこにでもありそうで読み飛ばされてしまう文章ではなく、せっかくなら相手の心をぐっとつかむ文章を書けるようにしたいと思いませんか。

 

それでは、相手の心に残る手紙やメールの書き方のコツを紹介します。

 

文章の下から書くことで最も伝えたいことが相手の心に残る

 

意外に思われるかもしれませんが、伝えたいことを相手の心に残すには手紙やメールの1番下から書くことがポイントです。

 

1番下とは、追伸(P.S.)のことです。

 

追伸を使うことで、相手は無意識のうちにあなたの言葉を記憶します。

 

ただし、追伸を使えばなんでも記憶に残るわけではないので、印象づけるための仕掛けをします。

 

追伸にあなたの願望や、最も伝えたいことを入れてみましょう。

 

以下に、追伸の例文を2つ挙げました。

 

追伸

 

先日連れて行ってくださったイタリアンのパスタがおいしくて忘れられず、妻と一緒に行ってきました!

 

雰囲気がよくて料理もデザートもおいしかったと、妻も喜んでおりました。

 

是非また、○○さんのおすすめのお店を紹介してください!

 

P.S.

 

はやく報告したかったんだけど、バイクの免許取れたよ!

 

よかったら来週あたり、海までツーリングに行かない?

 

追伸を使うことで伝えたいことを相手の心に残すことができ、さらに相手との距離を縮めることができます。

 

書き出しは明るいニュアンスで相手の心をつかむ

 

ビジネスシーンや表面上の付き合いだけを望んでいる場合は、無難な書き出しでよいでしょう。


しかし、距離を縮めたい相手に送るメールや手紙では、ポジティブな書き出しにすることが心をつかむために効果的なポイントです。

 

以下の2つの例文では、2つ目の文章がポジティブな書き出しになっています。

 

先日はお世話になりました。

 

ご馳走してくださり、ありがとうございました。

 

先日は貴重な体験をありがとうございました!

 

自分で釣ったお魚を食べたのは初めてで、感動しました!

 

1つ目の文章はありきたりで、社交辞令に受け取られてしまう可能性があります。

 

書き出しがポジティブな2つ目の文章のほうが受け取った相手はうれしく感じ、続きが読みたくなりますよね。

 

好印象に見せるため、少し大げさなくらい感情を盛り込んで書きましょう。

 

文章にメリハリをつけて相手の感情を揺さぶる

 

ポジティブな文章は読んでいて気持ちがよいですが、延々と似たような内容が連続していても感動がありません。

 

文章全体の中に少しだけネガティブな文を入れメリハリをつけることで、相手の感情を揺さぶり、最後の感動を大きくします。

 

緩急をつけた例が、以下のような文章です。

 

先週は貴重な体験をありがとうございました!

 

自分で釣ったお魚を食べたのは初めてで、感動しました!

 

料理の味も最高においしくて、終始口の中が幸せいっぱいでした。

 

知識が豊富な〇〇さんとの、お食事をしながらの会話はとても楽しかったです。

 

本当にあっという間の時間でした。

 

またすぐにでもお会いしたいのですが、実は今週から仕事が忙しくなり、今月は時間がとれそうにありません。

 

来月には落ち着くと思うので、また来月以降どこかでお会いできると嬉しいです。

 

追伸

 

次回は〇〇さんが行きつけだとおっしゃっていた、焼肉屋さんに行ってみたいです!

 

例のアレ、忘れずに持っていくので楽しみにしていてくださいね。

 

たくさんのポジティブな文の中に少しネガティブな文を入れると全体がドラマチックになり、読み応えのある文章になります。

 

以上のポイントをおさえれば、もらった相手がうれしい手紙やメールが書けるようになります。

 

心に刺さる文章で、相手との距離をぐっと縮めてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

最後まで読んでもらえるかどうかは書き手の心遣い次第

 

自分が書いた文章を、最後まで読んでもらえなかった経験がある人は多いのではないでしょうか。

 

読み手に対しての心遣いが欠けている文章は、読んでいる途中で断念されてしまい、最後まで読んでもらえません。


内容は面白いのに、心遣いに欠ける文面が原因で最後まで読んでもらえなかったとしたら悲しいですよね。

 

自分が書いた文章を最後まで読んでもらえるように、この記事では読み手に対して心遣いができる文章を書くポイントをまとめました。

 

漢字とかなのバランスをとり読みやすい文面にする

 

英語はアルファベットのみ、中国語は漢字のみの文面です。


しかし我々日本人はアルファベットや漢字、ひらがな、カタカナと様々な表記を使い文章を作成します。


表記の使い分け次第で、読みづらい文章を読みやすい文章にできるのです。


以下の例文のように、漢字が多いと文面が黒っぽくなり、読み手に「この文章は難しい」という印象をあたえてしまいます。

 

十月三十一日は万聖節の前夜祭。
米国では、南瓜の提灯等を飾り、仮装した子供達が近所の家々からお菓子を貰う。

 

パッと見た瞬間、なんだか読みたくないと感じたのではないでしょうか。

 

読む気が削ぎ落とされないよう適度にひらがなやカタカナを混ぜると、以下のような文章になります。

 

10月31日はハロウィン。
アメリカでは、かぼちゃのちょうちんなどを飾り、仮装した子供たちが近所の家々からお菓子をもらう。

 

このように漢字とかなを上手に使い分けることで、読み手にとって入り込みやすく「読んでもらえる文章」になるのです。

 

和語を使ってやわらかく優しい印象にする

 

和語(やまとことば)とは、日本人になじみ深いいわゆる日本語を意味します。


対して漢語は、漢字の熟語なので大半が中国からの外来語です。


漢語を和語に変えることで、文章全体が優しくやわらかい印象になります。


例文を用いて説明すると、このようになります。

 

破局後の元恋人の往生際が悪くて困惑している。

 

この文の漢語を和語に変えると、以下のようになります。

 

別れたあとの元恋人のあきらめが悪くて困っている。

 
和語を使った文章のほうが、優しい印象になるのがわかりますよね。


字数を少なくしたい場合には漢語のほうが有利ですが、硬すぎる漢語は和語に変えると読みやすい文章になります。

 

カタカナ語の乱用で読み手を置いてけぼりにしない

 

難しいカタカナ語を使い、格好良い文章を書きたいと思う人もいるかもしれませんが、カタカナ語の乱用は読み手にとって不親切です。


その言葉を知らない読み手は戸惑い、途中で読むのを諦めてしまいます。


以下が、カタカナ語を乱用した文章の例です。

 

イノベーション化のプロジェクトについて社長からコンセンサスを得た。

 

この文章は言葉の意味を知らない人に全く伝わらず、意味がわかる人であっても鬱陶しく感じてしまうかもしれません。

 

例文のカタカナ語を日本語に直すと以下のような文章になります。

 

経営革新のための計画について社長から合意を得た。

 

こうすることで読み手に伝わりやすい親切な文章になりました。


最後まで読んでもらえる文章に必要なことは、読み手の負担を取り除くことです。


書き手の気持ち良さはあとに回し、まずはサービス精神をもって読み手に寄り添うことが大切です。


読み手に対して優しく、親切な文章で「最後まで読んでもらえる文章」を目指しましょう。

綺麗で大人な文面にするための基本的な文章の書き方

メール等文面でのやり取りが増えつつある昨今、大人として綺麗な文章の書き方を身に付けておきたいと思っている人は多いのではないでしょうか。

ここでは正しく美しい文章にするための基本的なポイントを5つ紹介しています。

 

例えば以下のようなメールがあったとします。

 

すみません!!

昨日の夜から、喉が痛くて、頭痛も、すごく痛いんです!

さっき、熱を測ったら、38℃だったんです!

今日は、仕事休んでいいですか?

 

この文章を読んだ多くの人が、差出人は社会人としての常識がないと判断するでしょう。

しかし、ポイントさえ押さえれば、大人として恥ずかしくない綺麗な文を書くことは難しくありません。

正しく品のある文章にするために、1つずつ直していきましょう。

 

読点を乱用しないことで読みやすい文にする

ぼくは、夏休みに、海で、泳ぎました。

この例文は、小学生の作文にありがちなケースです。

文章を読みやすくするための読点ですが、使いすぎると読みづらくなってしまいます。

読点は1文に2つまでにすると、読み手が疲れることが少ないです。

文章が長すぎる場合は句点で区切るなどの工夫をしましょう。
例文の「ぼくは、」のように文頭一語目の直後に読点を打つと、幼稚な印象になってしまいます。

「海で」と「泳ぎました」はセットなので「海で」のあとの読点もいりません。
ぼくは夏休みに、海で泳ぎました。
これで読みやすくなりました。

 

例文の読点を最小限にすると、以下のような文章になります。

 

すみません!!

昨日の夜から、喉が痛くて頭痛もすごく痛いんです。

さっき熱を測ったら、38℃だったんです!

今日は仕事休んでいいですか?


これだけでも少し垢抜けて、読みやすい文章になりました。

 

「!」と「?」は必要な箇所だけに絞り幼さを回避する

「すごい!」や「本当?」のように、感嘆符や疑問符は気持ちを表現するのに便利ですが、こちらも乱用すると文章の品を落としてしまいます。

相手が友人なら、感情表現として多用するのも問題ないでしょう。

しかし、上司は友人ではないため、実用文やビジネスメールでは避けましょう。

 

例文の感嘆符、疑問符を省くと、以下のような文章になります。


すみません。

昨日の夜から、喉が痛くて頭痛もすごく痛いんです。

さっき熱を測ったら、38℃だったんです。

今日は仕事休んでいいですか。

 

1歩落ち着いた文章に近づきました。

 

重ね言葉(重言)に注意する

重ね言葉とは、「頭痛が痛い」や「犯罪を犯す」のように同じ意味の語を重ねた言葉のことです。

重ね言葉は知識の不足が表面化してしまうので気をつけましょう。

さすがにこんなミスはしないと思うかもしれませんが、以下のようにわかりづらいものもあるので注意が必要です。

お体ご自愛ください(自愛は自分の健康状態に気をつけること)→ご自愛ください

最後の追い込みに入る(追い込みは最終段階で頑張ること)→追い込みに入る

 

例文の重ね言葉を直したものが、以下の文です。


すみません。

昨日の夜から、喉が痛くて頭痛もあります。

さっき熱を測ったら、38℃だったんです。

今日は仕事休んでいいですか。

 

また少し大人な文章になりました。

 

子供っぽさが滲み出る話し言葉はご法度

「いろんな料理を食べたんだけど、すごく美味しくて夢みたいだった。」
この文の話し言葉を書き言葉に直すと、
「いろいろな料理を食べたのだけれど、とても美味しくて夢のようだった。」と、なります。

後の文のほうが上品ですよね。

話し言葉を使うと、子供じみた文章になってしまいます。

友人とのやりとりや個人のSNSでは楽しくてよいですが、実用文ではきちんとした書き言葉を使いましょう。

 

例文の話し言葉を改めると、以下のようになります。


すみません。

昨夜から、喉の痛みと頭痛があります。

先ほど熱を測ったところ、38℃でした。

本日は仕事を休んでもいいですか。

 

これでぐっと品のある文章に近づきました。

 

正しい敬語を使って美しい文章にする

「すみません」は話し言葉なので、目上の人に謝罪する言葉としてふさわしくありません。

正しくは「申し訳ございません」です。

「いいですか」も丁寧語なので、相手が目上の人の場合は「よろしいでしょうか」に直します。
一文の長さが変わったため、バランスが良くなるよう読点の数や位置を変更し、以下のようにします。

 

申し訳ございません。

昨夜から喉の痛みと頭痛があり、先ほど熱を測ったところ38℃でした。

本日はお休みをいただいてもよろしいでしょうか。

 

直した後の文章と、以下の直す前の文章を比べてみてください。

 

すみません!!

昨日の夜から、喉が痛くて、頭痛も、すごく痛いんです!

さっき、熱を測ったら、38℃だったんです!

今日は、仕事休んでいいですか?

 

 

いかがでしょうか。

文章の書き方ひとつで相手に与える印象が違うのがわかりますよね。

正しい日本語、綺麗な文章の書き方を身に付け、自分に自信が持てるようになりましょう。