綺麗で大人な文面にするための基本的な文章の書き方
メール等文面でのやり取りが増えつつある昨今、大人として綺麗な文章の書き方を身に付けておきたいと思っている人は多いのではないでしょうか。
ここでは正しく美しい文章にするための基本的なポイントを5つ紹介しています。
例えば以下のようなメールがあったとします。
すみません!!
昨日の夜から、喉が痛くて、頭痛も、すごく痛いんです!
さっき、熱を測ったら、38℃だったんです!
今日は、仕事休んでいいですか?
この文章を読んだ多くの人が、差出人は社会人としての常識がないと判断するでしょう。
しかし、ポイントさえ押さえれば、大人として恥ずかしくない綺麗な文を書くことは難しくありません。
正しく品のある文章にするために、1つずつ直していきましょう。
読点を乱用しないことで読みやすい文にする
ぼくは、夏休みに、海で、泳ぎました。
この例文は、小学生の作文にありがちなケースです。
文章を読みやすくするための読点ですが、使いすぎると読みづらくなってしまいます。
読点は1文に2つまでにすると、読み手が疲れることが少ないです。
文章が長すぎる場合は句点で区切るなどの工夫をしましょう。
例文の「ぼくは、」のように文頭一語目の直後に読点を打つと、幼稚な印象になってしまいます。
「海で」と「泳ぎました」はセットなので「海で」のあとの読点もいりません。
ぼくは夏休みに、海で泳ぎました。
これで読みやすくなりました。
例文の読点を最小限にすると、以下のような文章になります。
すみません!!
昨日の夜から、喉が痛くて頭痛もすごく痛いんです。
さっき熱を測ったら、38℃だったんです!
今日は仕事休んでいいですか?
これだけでも少し垢抜けて、読みやすい文章になりました。
「!」と「?」は必要な箇所だけに絞り幼さを回避する
「すごい!」や「本当?」のように、感嘆符や疑問符は気持ちを表現するのに便利ですが、こちらも乱用すると文章の品を落としてしまいます。
相手が友人なら、感情表現として多用するのも問題ないでしょう。
しかし、上司は友人ではないため、実用文やビジネスメールでは避けましょう。
例文の感嘆符、疑問符を省くと、以下のような文章になります。
すみません。
昨日の夜から、喉が痛くて頭痛もすごく痛いんです。
さっき熱を測ったら、38℃だったんです。
今日は仕事休んでいいですか。
1歩落ち着いた文章に近づきました。
重ね言葉(重言)に注意する
重ね言葉とは、「頭痛が痛い」や「犯罪を犯す」のように同じ意味の語を重ねた言葉のことです。
重ね言葉は知識の不足が表面化してしまうので気をつけましょう。
さすがにこんなミスはしないと思うかもしれませんが、以下のようにわかりづらいものもあるので注意が必要です。
お体ご自愛ください(自愛は自分の健康状態に気をつけること)→ご自愛ください
最後の追い込みに入る(追い込みは最終段階で頑張ること)→追い込みに入る
例文の重ね言葉を直したものが、以下の文です。
すみません。
昨日の夜から、喉が痛くて頭痛もあります。
さっき熱を測ったら、38℃だったんです。
今日は仕事休んでいいですか。
また少し大人な文章になりました。
子供っぽさが滲み出る話し言葉はご法度
「いろんな料理を食べたんだけど、すごく美味しくて夢みたいだった。」
この文の話し言葉を書き言葉に直すと、
「いろいろな料理を食べたのだけれど、とても美味しくて夢のようだった。」と、なります。
後の文のほうが上品ですよね。
話し言葉を使うと、子供じみた文章になってしまいます。
友人とのやりとりや個人のSNSでは楽しくてよいですが、実用文ではきちんとした書き言葉を使いましょう。
例文の話し言葉を改めると、以下のようになります。
すみません。
昨夜から、喉の痛みと頭痛があります。
先ほど熱を測ったところ、38℃でした。
本日は仕事を休んでもいいですか。
これでぐっと品のある文章に近づきました。
正しい敬語を使って美しい文章にする
「すみません」は話し言葉なので、目上の人に謝罪する言葉としてふさわしくありません。
正しくは「申し訳ございません」です。
「いいですか」も丁寧語なので、相手が目上の人の場合は「よろしいでしょうか」に直します。
一文の長さが変わったため、バランスが良くなるよう読点の数や位置を変更し、以下のようにします。
申し訳ございません。
昨夜から喉の痛みと頭痛があり、先ほど熱を測ったところ38℃でした。
本日はお休みをいただいてもよろしいでしょうか。
直した後の文章と、以下の直す前の文章を比べてみてください。
すみません!!
昨日の夜から、喉が痛くて、頭痛も、すごく痛いんです!
さっき、熱を測ったら、38℃だったんです!
今日は、仕事休んでいいですか?
いかがでしょうか。
文章の書き方ひとつで相手に与える印象が違うのがわかりますよね。
正しい日本語、綺麗な文章の書き方を身に付け、自分に自信が持てるようになりましょう。